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第6話・忍び寄るもの その4

ผู้เขียน: さぶれ
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-05-04 20:00:09

「少し連絡が取れないからって、勝手に主人や主人の実家に電話しないでよ! どうしてくれるのっ、責任取れるの!?」

 はあ?

 なにを言っているの、この人!

 謝るどころかあまりの身勝手な言い分に、ぷちん、と何かが切れた。

 もう絶対に赦せない!!

「謝りなさいよ! 勝手なことをして! ちょっと遅れただけで大げさなんだよ! 謝れっ!! あやま――」

「ちょっと遅れただけじゃありません!!」

 私は吠える羽鳥さんを一喝した。私のあまりの剣幕に羽鳥さんは驚いて身をすくめた。

「ちょっと遅れただけ、というのは五分程度の話です! 羽鳥さんが遅れてきた時間は、二時間ですよ、二時間!! 最初からきちんと遅れる旨を伺っていたのならともかく、聖也君がどんなに心細かったか、わかりますか!? 園にも迷惑が掛かるということも考えて下さい! 一部の職員が羽鳥さんの勝手な行動のせいで帰れないのですっ!」

 ずっと言いたいことを我慢していた。もう知るもんか!

 私への仕打ちだけならともかく、誠也君がかわいそう!!

「お泊り保育は園児たちにけがをさせないように、細心の注意を払っています。我々職員も非常に疲れているのです。もっとご配慮頂けませんか? 考えを改めて頂けないようなら退園して下さい。羽鳥さんの要求は毎回常識で対応できる範囲を超えていますし、他のお母様方とのトラブルにも発展することが多く、貴女ひとりに我々職員が振り回され、疲弊させられています。現に羽鳥さんのクラスに当たった職員は、全員退職しています。これがどういうことか真摯に受け止め、考えを改めて下さい! 園は貴女ひとりのものではありませんよ!」

 私が初めて相当な剣幕で叱り飛ばしたものだから、羽鳥さんは言葉を詰まらせ、怯(ひる)んだ。玄さんの言う通り、不当な要求には強い態度を示さなくちゃダメなんだ、と気が付いた。

 私が凄い剣幕で羽鳥さんに初めて説教したものだから、彼女は肩を震わせ、キッ、と私を睨みつけて不機嫌そうにして聖也君を連れ、帰っ

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     長く甘いキスを交わし、正式に恋人同士に(お試しだけど!)になり、夢うつつのままマンションの自宅の玄関前に到着。  キスの余韻を思い出すと、もっと玄さんと触れ合いたかったと思う。でも、まさか自分が名前すらも知らない男性と恋に落ちるとか、お試し付き合いを決めちゃうとか、そんなことになるとは思わなかった。 よく考えなくても色々アウトな気がする。理世ちゃんに言ったら『絶対やめた方がいいです、詐欺られますよ』とお叱りを受けそうだ。 でも信じるって決めたし。  けど素性がわからないのは不安になる。 私はプルプルと首を振った。家の前でおかしな行動をとっていないで、早く入ろう。  鍵を穴に差し込むと、ほんの少し違和感を感じた。なんだろう?  普通ならスムーズに入って左に回すと鍵が開錠される。なのに、ものすごく固くて回りにくい。冬場は寒さの影響でサムターンが縮むのか、鍵を開錠するのに苦労する時があるけれど、それとは違う。 おかしいな。夏なのに。今までこんなことはなかった。 固い扉を何とか開錠し、扉を開けるとむせかえる熱気に包まれる。  蒸し暑い室内が、閉め切っていたせいで温度が上がりすぎたのかな、と思って軽く換気し、バーベキュー等で利用した荷物を開けた。利用した網やトングを洗って、ごみを分別しなきゃ!  ピルルルル ピルルルル  あれ。電話だ。私のスマートフォンが鳴っている。お盆休みのこんな時期に一体誰かな?『眞子、元気か?』「お兄ちゃん!」 電話はビデオ通話アプリで、五歳年上の兄、清川智樹(きよかわともき)からかけられたものだ。お兄ちゃんは今、実家に義理姉と帰省中だ。連絡があったということは――「もしかしてっ、赤ちゃん産まれたの!?」『ご名答! ついさっき、産まれたんだ』「わぁ…! 良かったね、おめでとう!!」 自分のことのように嬉しくて、つい大きな歓声となった。「今日は遅いから明日にでもお見舞いとお祝い持って行くね! あ、産後だから栞(しおり)ちゃん身体辛いかな? 遠

  • 婚活アプリで始まる危険な恋 ~シンデレラは謎深き王に溺愛される~   第6話・忍び寄るもの その9

     瞬く間に時が過ぎて帰宅時間となった。片づけを終えて夕方に自宅まで送って貰った。自宅到着後、帰り際の車内で真剣な顔をした玄さんに話がある、と引き留められた。「なあ、眞子。お試しでいいから俺と付き合ってくれないか? お互いのことはこれから知って行けばいいと思う。今日は君の言葉に沢山救われた。俺は眞子を大事にしたいと思う。決して裏切ったりしないと約束する。だから前向きに考えて欲しい。まだ出会って間もないけれど、俺はもっと眞子のことを知りたいと思う」「玄さん…」 嬉しさ反面、本当に大丈夫かという気持ちが狭間で揺れた。  勇気を出して付き合いたいと伝えるつもりだったのに、臆病風が吹いてしまう。  でも、これじゃダメだよね。自分から一歩踏み出さないと!  玄さんに自分の気持ちをちゃんと伝えなきゃ。「玄さんの気持ちは、すごく嬉しい。私も、玄さんのことが気になっているのは事実よ。だから、このままお付き合いしたいと考えている。でも、心配なこともあるの」 今しか言うチャンスは無いと思い、意を決してお願いしてみた。「私達、未だ本名も知らないじゃない? せめて、本名を教えてくれないかな。できれば免許証とか見せて欲しい」「…そうだよな。眞子がそう思うのは当然だ。本当は素性もきちんと話して、フルネームも名乗って、眞子を安心させたい気持ちはあるけれど、でもごめん。まだ時期尚早なんだ」 玄さんは瞳を伏せ、悲しそうな顔を見せた。本名名乗るだけで時期とかあるの?  彼の態度で一気に不安になった。  「ごめん。名を名乗れないのは理由があるんだ。本名を言ってしまうと、俺がどんなヤツか、ネットで調べただけですぐわかってしまうんだ。多分、どこかで聞いたことがある名前だから、調べなくてもわかるかもしれない。勝手を言っているのは重々承知だけれど、素性を告げるのはもう少し待ってくれないか。周りの説得も必要だし、これについては三か月、お試し期間として時間が欲しい。三か月後には、包み隠さずに素性を話す。免許証や身分証明できるものを君に見せる。約束するから」

  • 婚活アプリで始まる危険な恋 ~シンデレラは謎深き王に溺愛される~   第6話・忍び寄るもの その8

     周りが綺麗になった頃に丁度炭の火加減がいい感じになる。  予め野菜や肉等の材料は食べやすく切ってきたので、専用グリルの上に網を置いて焼けるまでに時間のかかる食材から並べていく。「手馴れているな。いつからキャンプをやっているんだ?」「昔、高校生の時にクラブでサマーキャンプに参加してからかな。大勢でやったキャンプがとっても楽しくて。一人でも、大勢でも、どっちでも楽しめるからキャンプにハマっちゃったの。だからこの前のお泊り保育、本当は大自然のキャンプをやりたかったんだけれど、園児たちをテントに寝かせるっていうのは、ちょっと厳しいから断念したんだ。でも、いつかやってみたいな」「今、貸しバンガローとか沢山あるから、テントが厳しければそういう施設を貸し切ってやればできるんじゃないの?」「あ、そうだね! テントに拘って考えていたけれど、そっか、そういう手もあるね! よし、来年やってみよう」「グランピングなんか流行っているから楽しいかもな」「ホントだね。やりたいなぁ。でも、グランピングは高いから、予算が…」「そうか。園行事にするにはグランピングは高額か」「だったら、安く借りられる所を探してみようかな」「いいんじゃないか。来年のお泊り保育は楽しそうだ」 玄さんのアドバイスのお陰でアイディアがむくむくと膨らんだ。でも私、来年まで頑張れるのかな。なにかあるごとに羽鳥さんを思い出しては憂鬱になってしまう。正直辛い。 「玄さんはお仕事で嫌なことがあったらどうしているの?」 憂鬱気分が抜けない。玄さんはどうしているのか気になったので聞いてみた。「今のでモンペを思い出したのか?」 急にお仕事の話を振ってしまったからか、玄さんに胸の内を当てられた。こういう所、観察眼が鋭いな、って思う。「わかる? 園の事を考えると、どうしてもモンペのことがセットでくっついてきちゃう。もう、ホントいや」「それだけのことをされたら辛いよな。でも、この前はしっかり言い返せたし、嫌がらせの手紙も証拠を押さえて排除すればいい。眞子が気に病む必要はない」

  • 婚活アプリで始まる危険な恋 ~シンデレラは謎深き王に溺愛される~   第6話・忍び寄るもの その7

      「あのね、玄さん」「ん?」 玄さんが優しい眼差しを向けてくれた。反社ですか、って聞いてみたい。けど――「焼き鳥食べてる? おいしいでしょ」「ああ、すごくうまい。眞子はいろんな店を知っているな。また教えてくれ」 絶品つくねを頬張る姿も絵になる。そんな彼に、どうしても聞けない。踏み込めない。  焼き鳥がおいしいなんて、どうでもいい話をしたいわけじゃないのに。「眞子さ」「なに?」「盆休みって暇?」「あ、うん。暇だよ。幼稚園休みだし」「俺も休み取れそうだから、デートしない?」「えっ。したい!」「どこ行きたい?」「じゃあ、玄さんといっぱいお喋りしたいから、ドライブデートがいいなぁ」「海でも見に行くか」「それもいいけど、よかったらキャンプしてみる? 楽しいよ」「えっ。テントで寝るの?」「うん。そうなの。それが意外に楽しくて、ハマっちゃうんだけれど…玄さんは寝袋なんかで寝ないよね?」「寝たことは無い。でも、やってみたい」「じゃあ、とっておきの場所でデイキャンプして、一泊キャンプは秋の涼しくなった時にやろうよ。お店は大丈夫? お盆休みだったら定休日は関係ない? 定休日が都合いいなら、合わせるよ」「定休日は無いんだ。年中無休」 年中無休?  ますます業種がわからない。お子様も利用するって…もうファミレスしか無いよ!  でも、昨今のファミリーレストランは、元旦は休みだったりするところもあるし、もう、謎すぎる!! 焼き鳥やでそんな会話を交わし、さらに日にちは過ぎ、お盆休みに入った。玄さんとデイキャンプに行く約束をしていたので、私ははりきって準備をした。  普段はソロキャンプばかりなので、持っている道具だけでは椅子が一脚しかなかったり、テーブルが小さかったり、足りないものが多く感じた。  玄さんにも楽しんで欲しくて、キャンプ専門店に行ったり通販を利用し、今日を楽しめるように用

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